制御・ソフトウェア分野の特許

機械・電気系の特許出願のうち、純粋な機械・構造系の発明や純粋な電気回路の発明もありますが、機械と制御手段が結び付いて作用効果を奏するような発明が比較的多いのではないかと思われます。

制御と言っても様々な形態がありますが、基本的には、何らかの入力を受けて、コントローラで処理を行い、出力を行うという構成になっています。制御分野の明細書では、これらの各構成要素の関係や処理の流れを分り易く開示することが大切です。このため、特許図面中に、各構成要素のブロック図や処理のフローチャートを含めることが一般的です。また、電気制御であれば電気回路図を作成し、油圧制御であれば油圧回路図を作成する場合が多いでしょう。

コンピュータ制御の場合、フローチャートに記載された内容が発明のポイントになる場合が多いと思います。ですので、フローチャートは特に重要です。時折、論理的に矛盾したフローチャートを見かけることがありますが、十分にチェックしないと実施不可能になる可能性もあります。また、フローチャートの内容を特許請求の範囲として記載する場合も、矛盾が生じないように注意が必要です。

具体的な例としては、自動車エンジンの制御プログラムや電子炊飯器の制御プログラムが挙げられます。この場合、プログラムは、物理的な機械と一体となって動作します。別の例としては、パソコンのオペレーティングシステム(OS)やワープロソフト等での動作方法が挙げられます。この場合、プログラムはソフトウェア単体で流通します。

後者のソフトウェア単体で流通する例であっても、出願書類ではソフトウェアとハードウェアとの機能を特定して記載する必要があり、独特の記載の仕方が求められます。そのため、記載不備の拒絶理由通知が出されることが比較的多く、その点で注意する必要があります。

特許出願、PCT国際出願など特許についてのお問い合わせはこちら

082-224-6290(平日9:30~17:30)

メールフォームでのご相談窓口はこちら(24時間受付)

広島県広島市中区上八丁堀3-6