商標の標準文字について。
当事務所でも、商標登録出願を行う際に、商標登録を受けようとする商標を標準文字(商標法第5条第3項)とすることがよくあります。
今回、この標準文字の商標登録出願について変更がなされます。
まず、前提として、通常の登録商標の範囲が願書に記載した商標に基づいて定められるのに対して、標準文字による登録商標の範囲は、願書に記載した商標そのものではなく、標準文字に置き換えて現したものに基づいて定められます。つまり、標準文字で出願すると指定された書体に置き換えて出願、登録されるということです。
今回、平成29年1月1日より、新しい標準文字が指定されることになりました。文字によっては、字形が大きく変わったものがありますので、注意が必要です。
ただ、今回、出願人にとって便利になることがあります。インターネット出願をする際に、これまでどおり標準文字の願書を作成すると、インターネット出願ソフト側で標準文字(テキスト)をイメージに変換してくれます。これにより、表示ソフトに影響されることなく文字が適切に再現されますので、出願する前に、このイメージを確認すれば出願される商標を確認することができます。
なお、標準文字で出願すると通常の文字で出願するより権利範囲が広いと誤解する向きもありますが、標準文字か否かによって権利範囲の広狭がある訳ではありません。今回の変更によって、出願前に標準文字商標をイメージで確認できるようになりますので、このような誤解が多少は減るのではないかと思います。 以上