審査基準 vol.1

弊所では定期的に勉強会を行っているのですが、最近は審査基準(特許)の読み直しを行っています。

前回はいわゆるサポート要件(特許法第36条第6項第1号)がテーマでした。
サポート要件とは、請求項に係る発明が、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであってはならないというものです。

サポート要件違反の類型として、審査基準には以下の(1)~(4)が挙げられています。

(1)発明の詳細な説明中に記載も示唆もされていない事項が、請求項に記載されている場合。
(2)請求項及び発明の詳細な説明に記載された用語が不統一であり、その結果、両者の対応関係が不明瞭となる場合。
(3)出願時の技術常識に照らしても、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない場合。
(4)請求項において、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することとなる場合。


上記(1)~(4)のうち、個人的には(3)の判断が難しいと考えます。

審査基準では、
「審査対象の発明がどのような特性の技術分野に属するか、そして当該技術分野にどのような技術常識が存在するのかを検討し、事案ごとに、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるといえるかを判断する」
とされています。

簡単に言えば、クレームを広げられる範囲は技術常識によって確定する、ということです。

次回は、上記(3)に関し、審査基準に挙げられている一例をご紹介したいと思います。

(文責:泉)

 

 

 

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