弁理士の仕事(その2)~国際性~
他の士業の先生で「国際弁護士」とか「国際税理士」と呼ばれている方がいらっしゃいますが、私の周りで「国際弁理士」と呼ばれている人はあまり聞いたことがありません。
これは、もともと弁理士の業務の多くは国際的なものだからであると思います。日本のクライアントのために外国出願の書類作成をしたり、外国のクライアントのために日本出願をしたりする場合はもちろんですが、仮に国内の仕事だけをやっていても外国の文献等が出てきたりするため、国内だけで完結すると言うことはあまりありません。
また、弁理士試験には「条約」という科目があり、パリ条約や特許協力条約(PCT)などは、業務を行う上で国内法と同様に重要なものです(最近の受験生はこの分野に比較的弱いと聞くこともありますが)。
私が弁理士を志した理由の一つも、この国際性という部分にあります。弁理士の仕事の重要な要素は、技術的又は法律的な事項を分り易く言葉で伝えることですが、外国関連案件では、これを外国語(通常は英語)で行うことになります。日本語でも難しいことを英語でやるのは骨が折れる仕事ですが、その分大きなやりがいが感じられる仕事でもあります。 (文責:立石)