指定期間の救済について。

 先般の特許法条約(Patent Law Treaty)への加入に伴う規定の改正の中には、実務ではほとんど利用されないのではないかと思われる項目も多いのですが、指定期間の救済については巷ではたまに使われるかも知れませんのでご説明したいと思います。

 これまでは拒絶理由通知の指定期間について、期間が経過する前であれば延長が可能でしたが、期間を徒過した(うっかり過ぎてしまった)場合は救済されませんでした。

今回の改正により、指定期間が過ぎた後であっても、2か月以内に限り延長請求をすることができるようになりました(審判段階を除きます)。

 ただし、今回の規定に基づき、拒絶理由通知の応答期間を延長する場合には51,000円という比較的高額な印紙代が必要となります(拒絶理由通知以外の場合は4,200円)ので、この規定を用いるのは非常手段と考えた方が良いと思います。

 これに対して、指定期間経過前に延長請求する場合は、印紙代2,100円で2か月延長が認められます。また、以前は「翻訳のため」「比較実験のため」といった理由が必要でしたが、現在は理由も不要となっています。従いまして、拒絶理由の検討のための時間が必要な場合など有効に活用したいところです。 以上

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