2011/10/14 特許法等改正について。
先日、特許庁主催による平成23年度特許法等改正説明会に行ってきました。法改正の概要は知っていたものの、各トピックについて特許庁の方による説明を聞くことができ、非常に有意義でした。
今回の改正は最近ではかなり大きなものだと思います。ここ2〜3年は特許法等の目立った改正がなかったのですが、今回まとめてなされたような印象を受けます。
例えば、新規性喪失の例外規定の適用対象が拡大されます。販売や記者会見など公開態様に限定がなくなりますので、これまでよりは例外規定を使うことが多くなるかも知れません。しかし、証明書面などを提出する必要があることには変わり有りませんし、外国では認められない場合もありますので、やはり非常手段と考えておいた方がよいかと思います。
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2010/07/23 (特許)ソフトウェア特許についての講演を行いました。
去る7月10日(土)に、株式会社コンピュータ技術者研究所さん主催のセミナーにて、ソフトウェア特許についての講演を行いました。対象は、主に、ソフトウェア技術者の方々でした。
普段、ソフトウェア特許についての業務は行っていますが、ソフトウェア特許に特化した形で講演を行うことはなかったので、一からパワーポイントのスライドを準備して望みました。講演では、特許出願に限らず、ソフトウェア分野のビジネスを行う上での知的財産の活用の仕方に重点を置いてお話しました。
どのくらい関心をもって聴いて頂けるのか少し不安なところもありましたが、とても熱心に聴いて頂き、積極的に質問もして頂いたので、講演者として嬉しい限りでした。どうもありがとうございました。
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2010/04/08 (特許)中小・ベンチャー企業に対する施策について。
中小・ベンチャー企業の場合、知的財産に関する専門部署(知財部、法務部)が整備されていないなど、知的財産の十分な活用の点で大企業と比較すると不利なことが多いと思います。そのような状況もあり、特許庁などが中小・ベンチャー企業を対象とした様々な施策を実施しています。以下の施策については、新年度も引き続き実施されるようです。
<特許庁によるもの>
−出願審査請求料の減免制度
−中小企業等特許先行技術調査支援事業
−出願審査請求料の納付繰延制度
−出願審査請求料返還制度
−早期審査(審理)制度(グリーン早期審査・審理制度を含む)
−巡回審査(全国各地の中小企業等対象) 等
<日本弁理士会によるもの>
−特許出願資金援助制度
特許等の知的財産を取得・活用するには相応の費用がかかりますが、必要に応じてこれらの施策を活用されることをお勧めします。
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2009/12/11 (国際特許)PCT国際出願の移行期限について。
特許庁HPに、PCT国際出願の各指定国の国内移行期限について掲載されています。
PCT出願を行った後、権利化をしたい国については所定の期間内に国内移行という手続を行う必要があります。この所定の期間は、国によって優先日から20ヶ月又は30(31)ヶ月と異なるのですが、現在では大多数の国が優先日から30(31)ヶ月となっています。
外国出願の方法には大きく分けてパリルートとPCTルートがありますが、PCTルートの最大のメリットは、とりあえず出願日を確保しておきながら、手間と費用のかかる国内移行手続(各国語への翻訳費用、現地費用など)までの時間をかせぐことができることだと思います(ただし、米国のように、日本語によるPCT出願が、一部不利な扱いを受ける場合もあります)。
各国の規定にもよりますが、基本的には、国内移行期限を徒過すると権利化ができなくなりますので、最大限の注意が必要です。
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2009/11/04 (商標)歴史上の人物名からなる商標登録出願について。
歴史上の人物名の商標登録については、歴史上の有名な人物名を含む商標を、それと関係ない特定の人に独占させることなどについて、問題となっていました。商標法で、現存する他人の氏名を含む商標についてはその他人の承諾を得ないと商標登録を受けることはできないことになっていますが、歴史上の人物についてはこの規定は適用されません。
商標法には別に、公序良俗違反のおそれがある商標は登録できないという規定があり、この規定を適用することになるのですが、このような一般的な規定を適用する場合には、運用の統一性が問題となります。
今般、特許庁より、「歴史上の人物名(周知・著名な故人の人物名)からなる商標登録出願の取扱い作成に伴う商標審査便覧の改正について」という、運用方法の指針が発表されました(2009/10/21更新)。それによると、公序良俗違反の審査の際には、(1)当該歴史上の人物名の周知・著名性、(2)当該歴史上の人物名に対する国民又は地域住民の認識などの事情を総合的に勘案して、適用すべきか否かを判断するとのことです。
出願人にとっては、明確な審査基準とまでは言えないまでも、審査の際の勘案事項が公表されたので、従来よりも随分と分かりやすくなったと思います。
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2009/10/23 (特許)「グリーン早期審査・早期審理」の試行開始について。
特許庁HPによると、試行的に、「グリーン発明」(省エネ、CO2削減等の効果を有する発明)についての特許出願が、早期審査・早期審理の対象とされます。例えば、早期審査を申請する場合、「早期審査に関する事情説明書」にグリーン発明であることの合理的な説明を記載する必要があります。また、原則として、先行技術との対比説明を記載する必要があります。
早期審査の対象が増えることは、出願人側にとってよいことだと思います。また、この施策が、地球環境の保護と、技術革新による経済発展との両方に寄与することを願います。
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2009/10/08 (特許)ビジネス関連発明について。
特許庁HPに「ビジネス関連発明の最近の動向について」という情報が掲載されています。それによりますと、ビジネス関連発明特許出願の特許査定率は、2003年〜2006年では8%程度(全分野の平均値は約50%)であったのが、最近の2008年には19%まで上昇しているとのことです。ここにも書かれているように、この分野の審査基準が浸透して、出願人側でより適切に出願明細書を作成したり、補正を行えるようになったからというのが大きな理由でしょう。
とは言うものの、全分野の平均値が約50%であるのと比べると、19%という数字はやはり低いと言わざるを得ません。巷には「ビジネスモデル特許」という言葉があるため、「ビジネスモデル自体について特許が取れる」という認識をもっている人は少なくないのかも知れません。審査基準を見ても分かるように、ビジネス関連発明はコンピュータ・ソフトウェア関連発明の一分野という位置づけになっています。通常のコンピュータ・ソフトウェア関連発明と同様に、基本的には、ソフトウエアによる情報処理をハードウエアを用いて具体的に実現したものである必要があります。
このように特許査定率を見ると、ビジネス関連発明で特許を取得するのは一般的には難しいと言えますが、広告業・金融業・小売業など製造業以外でも、独占権である特許権を取れるチャンスがあります。新しいシステムなどを考案されたら、ビジネス関連発明の対象となりうるか検討されてみてもよいかと思います。
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2009/09/03 (特許)特許権の活用法について。
金融機関から、融資制度に関するパンフレットを頂きました。ある融資プログラムについて、特許権などの知的財産権の取得が条件になっているものがあります。確かに、特許権は独自性のある技術に国が付与するものですから、特許権をもたない場合に比べて、信用が増すのでしょう。
自らの技術を保護し、他人の使用を排除するのが特許権の主要な機能ですが、二次的に、上記のような「信用の獲得」という機能もあります。金融機関に対してもそうですし、取引先や購買者からの信用を得るという面もあります。「信用」というものは金銭に評価しにくいのですが、特許権を取得するメリットとして考慮して頂ければと考えます。
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2009/06/09 (特許)ライセンス制度について。
特許のライセンスとは、特許権者等が他人に特許発明の実施を許諾することを言い、特許法上は専用実施権および通常実施権があります。特許制度は技術の公開の代償として特許権者に特許発明を独占させるものですが、そのために実施を必要とする者が実施できないと産業の発達にとってはマイナスとなります。最近、「オープン・イノベーション」という言葉がよく出てきているように自社外の技術を取り入れる必要性が叫ばれており、その手段の一つである特許のライセンス制度も整備されてきています。
一つは、平成20年の特許法改正で導入された仮専用実施権・仮通常実施権の制度です。この制度により、出願段階の特許を受ける権利についてのライセンスを登録できるようになりました。登録をすると、特許出願が譲渡されたり出願人が破産した場合にライセンシーが保護されやすくなります。これにより、出願段階のライセンスがされやすくなることが期待されます。
また、「特定通常実施権登録制度」なるものも制定されました。この制度は、特許番号等を特定しない、いわゆる包括ライセンス契約に基づく実施権の登録を可能とし、ライセンサーの事業活動を保護するためのものということです。
このように整備されつつあるライセンス制度を活用し、自社の技術だけでなく他社(あるいは大学・研究機関など)の技術も活用して更に高い技術を生み出していくことが、我が国の産業競争力の強化につながっていくものと考えます。
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2009/05/14 (知財一般)知財先進都市支援事業について。
特許庁のHPにて、「知財先進都市支援事業」の募集が発表されています。知的財産に意欲的に取り組もうとする市町村を募集し、採用されれば、知的財産に関して総合的に支援する取組みのようです。
特に地方や小規模な市町村では、地域の活性化や振興策が課題となっているところが多いと思いますが、予算や人材の面などで知財へのアクセスが難しい所もあるのではないかと思われます。このような国の施策を活用して、独自技術や地域ブランドを育てていくことは、将来的に地域を成長・発展させるという意味で有効な一策となり得るのではないでしょうか。
弁理士としては、是非多くの市町村に応募して頂き、知財への取組みによって地域経済の活性化につなげて頂きたいと思っています。
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2009/04/24 (特許)特許権の効力について。
特許庁主催で特許制度研究会というものが開催されています。これは、知財に関する有識者を招いて現在の制度の問題点を検討し、将来の法改正につなげていくという趣旨と思われます。
この研究会の議事要旨を読んでみると、「特許権の効力の見直し」というトピックがあります。特許権の効力というのは、特許制度の根幹に関わる部分ですので、これが将来どうなるのだろうという興味があります。
現在の制度における特許権(商標権なども同様ですが)の基本的な効力は、特許権者が特許発明を自らが実施し、他人の実施を排除できるということです。すなわち、第三者が許可なく特許発明を実施すると(つまり特許権を侵害すると)、特許権者は製造・販売の差止めや損害賠償の請求等をすることができます。
特に差止めは、事業の継続を止めさせるという強力な(製造業者から見ると深刻な)措置です。同業者どうしであれば互いの特許を実施許諾し合ったりしていますし、やはり同業なのであまり無茶なことはしないのでしょうが(業界にもよるかも知れませんが)、最近は自らは製造・販売を行わずに特許権の行使を行う業者が現れ、問題になっているという話も聞きます。製造業者にとっては、損害賠償もそうですが、差止めをされると事業がストップしてしまうので、損害賠償以上にダメージがあるのではないでしょうか。
米国では、2006年の最高裁eBay判決で、差止めを認めるかの判断基準として、「損害に対する保証が金銭賠償のみでは不適切か」など4つの要素を示したため、裁判所が差止めを認めるかどうか判断する際にはこの基準が考慮されます。この点、侵害と判断された場合は原則的に差止めを認める日本とは異なる考え方になっています。
日本の特許法100条では、特許権者は侵害者に対して差止め請求をすることができる旨明確に書かれており、もし差止め請求の要件を見直すとすれば、法改正が必要になると思われます。もう少し先の話になるでしょうが、どのようになるか興味深く見ていきたいと思います。
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2009/04/21 (不正競争)不正競争防止法について。
最近、携帯電話会社及びメーカーがあるモデルの製造・販売差止に関して争っていたが、和解に達したとの記事が出ていました。詳細は分かりませんが、不正競争防止法に基づく差止の仮処分申請を行っていたと報道されているようです。
この不正競争防止法というのは、特許法や商標法と比べると知名度は低いかも知れませんが、今回のように、知的財産に関する争いでは度々用いられます。
例えば、他人の周知の商標や商品形態を使用して混同を生じさせる行為、他人の商品形態を模倣した商品を販売する行為などが、不正競争防止法による製造・販売の差止、損害賠償請求の対象となります。したがって、商標権や意匠権を持っていなくても、場合によっては自社の知的財産を守ることができる場合があるということです。
ただし、不正競争防止法が適用されるためには所定の要件があり、これが裁判所で認められる必要があるため、不正競争防止法による保護は補完的なものと考えて、やはり、重要な知的財産は特許権、意匠権、商標権などの権利で守っていくのが望ましいと言えるのではないかと思います。
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2009/04/10 (商標)他人の名称を含む商標に関する知財高裁判決について。
会社の商号(例えば、○×株式会社)について商標登録出願を行うことはよくあると思いますが、その場合に、少し気になる判決がありました(知財高裁 平成21年02月26日判決 平成20(行ケ)10309)。
商標法4条1項8号では、他人の氏名又は名称(会社の商号も含まれる)を含む商標は、その他人の承諾を得ていない限り登録できないこととされています。ただし、他人の略称の場合は著名でなければ該当しません。
この判決の中で、知財高裁は、「商標法4条1項8号該当性を判断するに当たっては、出願人と他人との間で事業内容が競合するかとか、いずれが著名あるいは周知であるといったことは、考慮する必要がないというべきである」と述べています。
そうすると、この規定を厳密に解すると、会社の商号について商標登録出願を行う場合には、全国の会社の商号調査を行わなければならないということになり、負担が大きくなります。インターネット等で見つかる会社ならいいですが、そうでない場合は大変かも知れません。いずれにしても、商号について商標登録出願を行う場合は注意が必要でしょう。
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2009/04/06 (特許)本年度も先行技術調査の支援事業が実施されます。
この事業は昨年度も行われていましたが、本年度も継続されることになりました。この制度は、中小企業や個人の特許出願人が申請を行うことにより、調査事業者が無料で(特許庁負担で)先行技術調査を行ってくれるというものです。
審査請求は通常通り行う必要がありますが、その前に調査結果を得ることができるため、費用のかかる(約20万円)審査請求を行うか否かの判断材料を得ることができます。また、補正が必要か否かの目安を得ることができます。その他、特許庁HPにも書かれているように、早期審査の事情説明書作成に活用したり、外国出願の判断材料として活用することもできます。
コストを削減しつつ効率的な権利取得を図るという意味で、中小企業や個人の出願人にとって非常に有用な制度だと思いますので、是非ご活用されることをお勧めします。
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2009/04/03 (特許)審査請求料の納付繰延制度が開始されました。
特許出願の審査請求料は、審査請求と同時に納めることになっていますが、審査請求日から1年間、納付を繰延することができるようになりました。「昨今の景気の急速な悪化を受けて、企業等の資金的な負担を軽減するための緊急的な措置」ということで、2年間(予定)の暫定的措置のようです(特許庁HP)。
これにより、審査請求するかどうかを決めるための猶予期間が実質的に出願日から4年間になる訳ですが、出願審査請求書自体は、これまでどおり出願日から3年以内に提出する必要がありますので、お気を付け下さい。 |
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2009/03/30 (商標)将来、新しいタイプの商標が導入されそうです。
特許庁の商標制度小委員会で、新しいタイプの商標の導入が検討されています。現行法では、商標は、文字・図形・記号・立体的形状、これらの結合、又はこれらと色彩との結合でなければならず、要は、文字・マーク・立体的形状など静的なものでなくてはなりません。
今回の小委員会では、新しいタイプの商標として、動きの商標、ホログラムの商標、輪郭のない色彩の商標、位置商標、音の商標、香り・においの商標、触感の商標、味の商標、トレードドレスが検討されており、このうち、動き、ホログラム、輪郭のない商標、位置、音を新たに商標法の保護対象に追加することが適切と考えられると述べています。これらのタイプの商標については、将来的に導入される可能性が高いと思われます。一方、香り、におい、触感、味の商標については、特定や保存などが困難であるため、導入するのは不適切とされています。
これらのタイプの商標を導入することになれば、商標(標章)の定義自体を変更する必要があるため、かなり大規模な法改正にならざると得ないと考えられます。審査での類似判断、侵害の場面での類似判断でも、これまでとはまた違った検討が必要となるのではないでしょうか。また、出願書類の中に、電子ファイル(動画・音声)が含まれる可能性があるようですので、これまでの商標とは出願実務においてもかなり変わってきそうです。今後の動向が注目されます。
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2009/03/27 (中国)中国特許法が改正されます。
2009年10月1日より、中国の改正特許法が施行されます。改正点は幾つかあるようですが、目を引いたのは、出願時点で未公開の自社先願であっても引例となり得るという点です。例えば、ある製品に関する複数の出願があって、実施例は共通でクレームだけ異なるような場合、出願の日付が前後すると、後願が先願の実施例に記載された内容により拒絶されてしまうということになります。EPも同様の制度を採用しています(というよりも、おそらく中国がEPの制度を採用したのでしょう)。出願の際には注意が必要です。 |
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